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要求レベル未定義

毎日のように聞かされる「お客様視点」という言葉にはもううんざり。
真の意味を定義しないままに会社のキャッチフレーズにしたものだから
誰もが自分達に都合のいいように解釈し、勝手に使いまくっている。
その結果、他人を陥れる為の武器に成り下がっている。

自分達の不手際から生じた責任を転嫁する為には、自分達を第三者にするような
屁理屈をこねるのが一番の方法だ。
デタラメな仕事をする人ほど、お客様という究極の「第三者」を持ち出すことで
自分自身を面倒事から遠ざけ、自分達のマイナスを消たかのように見せかけた上で
自分達の所属する最も大きな組織概念である「会社全体」と自分自身の存在を
すり替えて、自分以外に面倒事を押しつける傾向がある。
確かに耳障りは悪くないし、そう言われるとそんな気になってくる。
言い換えれば、最も合理的に責任を転嫁する為の「印籠」。
自分達のいい加減な仕事が原因で問題が起きても「何でお客様視点で対応
しないんだ、会社の方針と違ってるじゃないか」って騒げばどうにでもなる。

時々、技術屋として真のお客様視点とは何かを考えることがある。
ニーズからテクノロジ、テクノロジからアーキテクチャ、そして詳細仕様へと
適切に、且つ的確にブレイクダウンする事なのだとは思うが、少なくとも
ビジネスサイドの都合が悪くなった時に、自分の責任をなすりつけるための
捨て台詞ではない。
ニーズの把握も曖昧、要求レベルも未定義なままでシステム作れって言われても
ロクなシステムにならないし、目論見と違うから「不具合」と言うのも変な話。
それぞれのプロセスでの検討によって、何が不具合で何が制約で何が正常なのか
を定義しているのだから、それらを面倒だという理由でスルーしたら、どんな
システムが出来上がるか、想像がつくはずなのに。
目論見を「程度」や「精度」「具合」に落とし込んでこそ、初めて「不具合」
という概念が成り立つのだ、という当たり前の説明も、身勝手な「お客様視点」
の前では何の力も持たない。

いっそのこと、「お客様視点」なんて曖昧なキャッチフレーズは捨てた方がいい。



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